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そのままドラゴンを丸焼きにしてもらい、手近に落ちていた尖った石で肉をそぎ落とす。
なんともまあ、原始的な生活だな。
「――大丈夫なのか?」
食中毒にならないよな?
そんな疑問を抱きつつも、目の前で肉汁を滴らせる肉に我慢できず、目をつむって噛り付く。
「あ、美味い」
やや臭みはあるが、感覚的には牛肉に近い。
噛むほどに溢れ出る肉汁が、程よい甘みと濃厚な旨味を舌へ届ける。
夢中で食べる事、数十分。
「――もう食えん」
腹がはちきれそうになった所で、食事をストップした俺。
「お前らは無限の胃袋だな……」
余す事無くドラゴンを食べ切ったポチとボブ。
満足そうにゲップすると、俺の隣で二匹が寝そべった。
「食休みか……」
二匹を撫でながら、ふと思った。
魔物が懐くんだったら、それで生活していけないだろうか――と。
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