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「ボブぅぅぅぅっ! お願いだからもっとゆっくり飛んでぇぇぇ!」
『クエッ?』
俺は今、ボブの背に乗って空を飛んでいる。
それ自体は素敵な事だろう。
高い所は好きだし。
だが、問題はその速度だ。
風圧で顔が歪むレベルで飛ばれては、さすがに怖い。
首を傾げたボブは、俺の顔から液体という液体が噴出している事に気づいたのか、かなり速度を落とした。
「助かった……危うく聖水がスプラッシュマウンテンだった……」
『クエェッ……』
俺の言葉にボブは微妙に冷たい視線を送る。
うん。これは理解できた。
”引くわ~”
そう言いたいと。
「それはそうとして――何でポチも飛んでんの? 何で?」
『ニャッ!!』
隣でふわふわと浮いているポチは、俺にドヤ顔を決めた。
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