始まりの罠

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 ここで華麗にゴミ箱へ入れば、俺もきっと主人公になれる逸材だったのだろう。 「――クソッ!」  見事に外れた。  情けなくも自分で拾いに行き、道路中央のマンホールで止まったペットボトルを拾う。 車や人の通りがない裏路地では、俺一人だけが存在しているかのようで、何だか無性に孤独感を覚える。 ……ぼっちだな。  一緒に帰る友達などいない。 だって、夏休みの補習受けてたの俺だけだもん。  ええ。全教科赤点でしたが何か?  空になったペットボトルを、掌で抱いて10秒経過。 どうやって恰好良く捨てようかを考えていた矢先――  顔の近くでフラッシュをたかれ、記念撮影されたぐらいの眩しさに包まれた。 「眩しいっ!? 何だよっ!?」  途端、足元の感覚が無くなる。 「――え? あああああああ……」  そして落ちた。  もう訳分からん。
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