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いずれにせよ、子牛や子豚を買うにしても、一円たりとも持ち合わせがない。
こういう場合、魔物の素材を売ったりすれば――
チラリとポチを見た。
『――ニャァン』
却下だ!
次いでボブを見る。
『――クエェッ!』
却下だ!
残るは俺――いやいや、無いわ。
「何か売れる物があればぁ……」
おれがそう呟くと、ボブが自身の羽根を数枚くちばしで引き抜いた。
それを俺の足元に置き、「クエッ!」と鳴く。
「これを売れと?」
『クエェッ!』
ボブの羽根にどれ程の価値があるかは分からないが、折角だし売りに行こう。
「じゃあ、あの村の手前まで運んでくれるか?」
『クェッ!』
ポチはお留守番させ、ボブの背に乗り村へ向かった。
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