13900人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわっ!? 何か目が痛くなるよ!」
開口一番ギャッツがそう言う。
俺は何だか尻が痛くなるよ!
「おにーちゃんこれきるの?」
「僕はちょっと……」
ギャッツも何だか抵抗感があるらしく、違う店にしようとごねる。
まあ、俺も嫌だ。
「ってもなぁ……この村にはロクな物がなさそうだし……」
「いや、あるからね!? 村の一部で判断しないでね!?」
ツッコミ担当が生まれた瞬間だった。
「そうか。ならば戦争だ」
「――何それ」
ツッコミ担当はまだまだレベルが足りないようだな。
「いや、気にするな。おいおいノリツッコミを覚えて行けばいい」
「僕はもう、お兄さんの思考についていけないよ……」
呆れ気味にため息をついたギャッツ。
「まあ……ほら。俺ってイケメンだからさ――」
「それなら世界中の人がイケメンだね!」
「……死にたいのか?」
「ひいっ――」
そんなやり取りをしていると、店の人が表に出てくる。
怪訝そうに俺達を眺めていたが、客と判断したのか青いツナギをごり押ししてきた。
「買 わ な い か」
「買 わ な い よ」
店主を放置し、俺達は次の店に向かった。
『――アーーーーーッ!!』
そう後ろから叫び声が何故か聞こえた気がした。
最初のコメントを投稿しよう!