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そうして向かった次の店は、意外と真面な店でホッとしたよ。
「ここは真面そうだな……」
「あー……うん」
何だか歯切れの悪いギャッツの返事。
『あんれぇ? 何かご用かしら!?』
表に出て来たのは、青髭を生やしたパンチパーマのゴスロリファッションに身を包んだ身長190センチを超える――
変態だった。
「…………」
見た瞬間硬直する俺とミシェル。
ギャッツは知っていたのか、ため息を一つ吐いた。
「あんれぇ? 冷やかしかしら?」
「いや、その……」
変態の胸にはネームプレートが貼ってあり、”キシリッシュ・ミント”と書かれていた。
名前負けしすぎだ。
明らかに。
「冷やかしなら帰って頂戴! きぃぃぃぃっ!」
何処からか出したハンケチーフを噛みながら、縦に引き延ばすキシリッシュ。
まあ、乙女漫画にありそうな光景なんだけど、こいつがやると生肉を噛み切る獣にしか見えないんだよな。
不思議だよね。世界って。
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