13900人が本棚に入れています
本棚に追加
グラサンの下に隠れていた瞳は、捨てられた子犬のような目だった。
ウルウルとした瞳でこちらを見つめられる。
「そ……そんな目で見んといてぇぇぇっ!」
「やっぱり僕の瞳は変なんだね……そうなんだね……」
コンプレックスなのだろうか、肩を落とした店員は小刻みに震える。
――何コレ。俺が悪者?
『おにいさん……イジメかっこわるい』
「ぐはっ!?」
いつの間にか傍へ来ていたギャッツとミシェルが、ケダモノを見る様な目で俺を見ていた。
「分かった。落ち着けお前ら。俺が悪かった」
「じゃあ、荷台買ってくれるよね? お兄さん?」
先程とは打って変わり、にやついた笑みで店員は顔を上げる。
――ハメられた……だと?
「いや、38万ポルしか持ってないし……」
「ああ、それなら中古があるから、それを38万ポルピッタリで売ってあげるよ!」
結局。
それなりに趣の有る雰囲気の使い込まれた荷台を買わされた。
村の外までは運んでくれるらしく、途中にある工具店に寄り工具を荷台に乗せる。
「んじゃ、毎度ありー!」
そう言って店員は村の中へ戻った。
残された俺達は、荷台を見つめながら声を揃える。
『どうやって運べと』
まあ、ボブがいるんだけどな。
最初のコメントを投稿しよう!