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ボブを呼ぶ前に、ギャッツとミシェルへ説明しておく。
いきなり魔物が現れれば、騒動になりかねないからな。
この辺の配慮はイケメンだというのに、世界へ伝わらないのは一体何故だろうか?
「――顔……か……」
「お兄さん? 急に遠い目をしてどうしたの?」
「――ハッ!? トリップしてたわ」
「良く分からないけど、お兄さんはブサイクじゃないよ!」
「――微妙な褒め言葉をどうも」
それってアレだよな。
「○○君って優しいよねー♪」的な女子特有の何とも言えない誉め言葉であり、その裏を返せば「てめぇに興味はねえんだよボケ!」というかなり切ない思いの込められた褒め言葉。
――ギャッツだけ置いて行こうかな……
「お兄さん!? 黒いオーラが出てるよ!?」
慌てた様子で俺を宥めるギャッツ。
いや、ネガティブ過ぎたな。うん。
「ごめりんこ☆」
テヘッ――と、舌を出してギャッツへ謝罪。
「今まで見た人間の中で最高に気持ち悪い」
そして凄まじい毒が返ってきた。
だが、ここで折れないのが俺クオリティー。
「よし。お前の眼球は腐っているようだな。取り換えよう」
「ちょっ……お兄さん! 顔が真剣だよ! 怖いよ!」
「え? だって本気だもの」
「――お兄さん可愛い! 超イケメン! 僕、お兄さんみたいになりたいなぁ!」
「そうだろそうだろ。最初から素直にそう言え」
「あははは……」
子供は素直が一番だぞ。うん。
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