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そして俺は理解する。
獲ってきたんじゃなくて、”盗ってきた”のだと。
「よし。あれは他人だ。俺は知らんぞ」
「ちょ……現実逃避している場合じゃないよ!」
ボブは俺達の許へ辿り着くと、着地しドヤ顔で牛を差し出した。
既に息絶えた牛は、恐らく食料だと思われる。
有難い。
実に有難いよ。
『てめぇが元凶かこらぁぁぁぁっ!!』
おっさん達がついて来なければな!!
「いえ。僕らは只の一般人ですよ。ヤダナァ……」
『クエェッ!?』
ボブが驚いた表情をする。
やや良心が痛むが、丸腰でこの人数を相手に出来るはずも無い。
『なんだ……それならそこの鳥をこっちに渡して貰おうか』
「あー……何があったんですか?」
一先ず、会話により時間を引き延ばす。
ボブに目配せし、牛を置いて一旦逃げろと心で指示を出した。
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