砂漠に落ちた少年

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 いつの間にかブラックアウトしていた視界。 目を覚ましたのは、先程居た場所より数段上の暑さを感じたからだ。 「半端なくあちぃ……」  体ごと蒸発するレベル――とまでは行かないが、辺りを見渡すと砂・砂・砂・砂……  それから察するに、俺は砂漠に居ると思われる。 「鳥取砂丘? なわけないか」  そうであればどれだけ救われただろう? だが、目の前を歩く蠍は、鳥取砂丘を完全に否定していた。 「蠍……スコーピオン……アハン?」  自分でも何を呟いているか分からない。 だって暑いんだもの。 意識が飛び飛びになるぐらいは、ご容赦して頂きたい。 「異世界? まさかな……ははは……」  もしこれが異世界なら、折角毎週見続けていた連ドラを見られない。 それだけは避けたいが、そうもいかないようだ。 『グルルルル……』  何だかでっかい虎に睨まれているしな。
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