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まずは木材の入手をせねば――と、奥に見えた森へ向かう。
そこまで深い森ではなさそうで、魔物も居なさそうだ。
「えーと……まずはノコギリか」
産まれて初めて使うノコギリ。
適当な木に添え、ギコギコと切り倒していく。
「ハァ――ハァ――」
何コレ。切れない。
扱い方の問題だろうか、一向にノコギリの刃は前へ進まない。
「――どうしたもんか……」
俺が困っていると、背中にギャッツとミシェルを乗せたポチが歩いてきた。
『ニャッ!』
不意に俺が切り倒そうとしていた木へ、軽く前脚を振る。
すると、爪により切られたのか、木は横に倒れ重たい音を響かせた。
「――俺の苦労は一体……」
『ニャ? ニャンッ!』
ポチが肩にポンッと前脚を置く。
慰められたようだ。
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