砂漠に落ちた少年

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 さてさて――これからどうしたもんかと、行く末を考える。 そもそも、ここは何処なんだろうか。 「なあ……ココ何処?」 『ニャ?』  首を傾げた虎――もとい、でっかい猫。 猫でいいんだよな――多分。 「うーん……困ったな……」 『ウニャ!!』 「ウニャ!! じゃあねぇよ。状況分かってんのか――って、少なくともお前の方が分かってるよな」  ため息を吐いた後、空腹を覚えた俺は、バナナらしき木によじ登り実をもぐ。 見た目は明らかにバナナなので、特に違和感なく皮をむく。 「なんかネバネバしてる……」  皮から伸びる粘液。 それに嫌悪感を抱きながらも、恐る恐る口へ運んだ。 「まっずいな! 糞がっ!!」  がっかりクオリティー過ぎて思わず遠くへ投げ捨てた。
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