第0説

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その男は、雪のように白い肌、透き通るような白金の髪に、意志のこもった薄碧の瞳。 現実離れした美しさが、その男にはあった。 男は、暴動に対抗すべく1000の軍隊を率いた。 それは、天界と人間界が率いる軍の十分の一にも満たなかった。 結果は、魔界の敗北を予期していた人々とは裏腹に、魔界の軍隊が勝利を手にした。 犠牲者をほぼ出すことなく。 また、立て続けに起こった禍もその男によって鎮められた。 方法は何処にも記されていない。 それから天界、人間界、魔界の三つを魔界が治めるという協定を結んだ。 そして、その男は魔界の王、魔王として世界にその名を刻んだのだった…――
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