【S】

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「本気でわたしを 愛してるとでも言うの?」 「ああ。そうだよ」 クスックスッ。 小夜子が 堪えきれない様子で また笑い出した。 「…何故、笑う?」 「奥さんや子供もいて。 家庭を持った貴方が わたしを本気で愛してるなんて 馬鹿な事、言わないで」 「それはっ…」 「手を、どけて」 「えっ?」 何を言われたのか 一瞬わからず高木が 聞き返した。 「わたしに気安く触らないで」 「………すまん。でもっ」 「何?」 「それなら何故 俺と寝たんだ?」 「意味は、ないわ」 小夜子が笑みを浮かべながら 高木に告げた。
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