8274人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃあ、また来ます」
石田がそう言うと
小夜子と刺鋭が出口に
向かった。
「石田くん」
鬼塚が呼び止めた。
「はい」
「あの子は
時間がかかるかも知れん」
「必ず……更正させます」
「頼む。もう二度と、
同じ過ちを犯さないように…。
俺が…こんな状態で済まない」
「鬼塚さん…」
「彼女は歪んでいる。
俺たちが思っている以上に
だが、
見捨てないでやってほしい。
あの子は、一番の被害者だよ」
鬼塚が途中で咳き込みながら
必死に告げた言葉は
石田の心を締め付けた。
目に涙を滲ませながら
石田が頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!