Epilog

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石田より一足早く 病室を出た2人が ゆっくり歩きながら 話していた。 『鬼塚さん……酷かったね』 「そうね」 『小夜子?』 「うん?」 『僕がずっと君を守るから』 小夜子が刺鋭をじっと 見つめた。 「ずっと?」 『ああ。父親が違う事 気付いてやれなくて ごめんな……』 「平気よ」 『何があっても 僕が傍にいるからね』 「刺鋭の愛は、本物?」 『……ああ。本物さ』 小夜子が大人びた 妖しい笑みを浮かべた 「お待たせ。行きましょう」 そこへ石田刑事が 2人を追いかけて来た。 「傷は痛まない?」 小夜子を気遣う石田に 「大丈夫です」 そう答えた彼女の笑顔が 刺鋭に見せたものとは まるで別人の顔つきだと いうことに 石田刑事も刺鋭も 全く気付いていない。 「今日は暑いわね。 どこかでパフェでも 食べていきましょうか」 『いいですね』 楽しそうに話す2人の後ろを 黙ってついて歩いていた 小夜子が、ポツリと呟いた。
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