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ガシャーン
「くそっ!なんなんだよっ!?」
一人取り残された
男子生徒が屋上のフェンスを
蹴りあげながら叫んだ。
しばらくすると
また屋上の扉が開き
チャラチャラした
似たような男子生徒が
やってきた。
「和也、小夜子ちゃん。
どうだった?」
ガムをクチャクチャ噛みながら
ニヤついた顔で聞いてくる。
「どうもこうもねぇよ!」
「は?まぁそんな怒るなって」
クチャクチャ
クチャクチャ
「クチャクチャ
うるせぇんだよ!!」
和也と呼ばれた男子生徒が
もう一度フェンスを蹴り
その場にあぐらをかき
座り込むと
もう1人の男子生徒も
すぐ目の前にしゃがみこんだ。
「イライラしてねぇで
一本吸えよ」
差し出された煙草を
和也が無言で掴み取り
火をつけ煙を吐き出した。
「で。 何があったんだ?」
「隆二…駄目だ、俺…」
和也が片手で頭をかきむしる。
「落ち着けって、な?」
隆二も自分の煙草に火をつけ
慣れた手付きで吸い始めた。
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