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少し落ち着いてから
和也がさっきの小夜子との
やり取りを隆二に
話して聞かせると、
「彼女らしいじゃん」
灰色の煙を口から
だらしなく吐き出しながら
隆二がニヤニヤしてる。
「マジで笑い事じゃねぇよ。
絶対、落とせると思ったのに」
和也が地面に煙草を
擦り付け、もみ消す。
「月影 小夜子-ツキカゲサヨコ-。
学校のマドンナを
そう簡単に落とせるわけ
ねぇだろ?ほらっ」
ガックリと首を垂れた和也に
隆二が2本目の煙草をすすめた。
「…悪い」
「今まで何十人の男が
あいつに告っても
誰とも付き合わない女だぜ?
気落とすなよ。
ヤれる女ならいくらでも…」
「あいつの事、本気だったんだよ」
苦し紛れに呟く和也に
隆二も黙り込む。
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