【S】

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「ま、そう気を落とすなって。 いつもの所、寄ってくぞ。 ほらっ、立てよ」 隆二が腰を上げ告げると 和也が しぶしぶ…といった様子で 立ち上がり歩き出した。 「適当な女、ナンパして 気分晴らそうぜ」 短くなった煙草を 足で踏み潰し 隆二がニヤリとする。 「…今日は そんな気分になれねぇ」 「んなこと言うなって!!」 和也の肩に手をかけながら 並んで校内に入る。 「いや。マジでさ…」 和也が言いかけると 「おいっ。あれ…」 急に隆二が和也を止め 顎で前方を見ろと教えた。 「………っ!?」 隆二に言われた通り 廊下の先を見ると、 さっき別れた小夜子が 誰かに腕を捕まれ 何か2人で話してるのが見えた。
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