【S】

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すっかり日も落ち 薄暗い物理室。 「……何でだ?」 物理の教師、 高木 光夫 41歳。 普段は口数も少なく いかにもエリートといった 風貌の男だ。 「何で?」 小夜子が呟いた。 「ああ。 メールも電話も無視して。 急にどうしたんだ?」 高木が聞くと 「別に」 冷たい素振りの 小夜子の肩に両手を置き 「…俺の事が 嫌いになったのか?」 苦しげに高木が呟き 溜め息をついた。
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