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幼い頃に両親を亡くし、身よりが無かった私は中学卒業まで施設に預けられていた。
同じ施設で育った同い年のケンちゃん。
ケンちゃんは弱虫な私が施設のいじめっこ達に意地悪をされる度、いつも守ってくれたんだ。
中学卒業と同時に施設を離れ、私は長野県の川上村にある小さな繊維工場に就職し、ケンちゃんは私の働く工場のすぐ近くの会社に就職した。
慣れない仕事や初めての寮生活で気疲れする事もあったけれど、ケンちゃんが支えになってくれていたんだ。
千曲川の河川敷の緩やかな斜面に寝転んで、ケンちゃんと星を眺めるのが大好きだった。
毎週土曜日の夜に寮を抜け出して、ケンちゃんと星を眺めながら色んな話をしては、笑い、時には泣いて、ケンちゃんの胸にしがみついて、ケンちゃんの温もりを確かめながら幸せを感じ取っていたんだ。
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