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「コロン、スフィンを頼む。」
「…あいよ」
コロンに一言かけ靴をはいているとスフィンが小さな包みを渡してきた。きたきた。これを楽しみに学校にいくようなもんだからな。忘れてはならん。
「にぃ、はいお弁当。あとしっぽとお耳隠すのわすれてるよぉ」
おっとと…いかんいかん。お弁当に気を取られて忘れてたぜ。こんなんで外にでたら今日の団地妻たちの井戸端会議の花決定だからな… 俺は葉っぱを口にくわえ一噛みして耳としっぽをしまった。
「じゃ、いってくる。スフィン、おりこうにしてるんだぞ。」
「いってらっしゃい、にぃ。チュッ」
俺の頬に小さな小さな唇が触れた。全世界のロリコン達、すまない。これも日課なんだ。
「いってきます」
全世界の幼女愛好家達の怒号を振り切るように玄関のドアを開けた。
「おはよう、香鈴君」
「お、おはよう。亜利栖ひゃん」
不覚… いきなりの挨拶にびくって噛んでしまった。穴があったら入りたい。こんちくしょうめ!
「ひゃんってなんなのよ。もう」
挨拶してきていま隣でクスクス笑っている彼女は内田亜利栖。中学校からの付き合いだ。
「それでね、昨日の話なんだけどね、包丁滑らせちゃって指切っちゃってさ、それに気づかずに焼いちゃって。食べるときにやっときづいたんだよ!くっつかないかと思ってすっごいあせっちゃった」
ん、いますんなり恐ろしいこといいませんでしたか…?
「あ、いまのゾンビージョークだよ? ちゃんとつながってるからね、ほら」
あさからそんなホラーなゾンビージョークかまさんでくださいよ、亜利栖さんよ。
しばらく駅に着くまで普通の高校生が話題にもしないようなことを話していたらあっという間に到着。 ?
「じゃまた夜に」
と亞利栖さんは改札を経て7番線あたりにいってしまった。いやぁ…リアルJKは新鮮ですなぁ。
「おっと、俺もまずいまずい」
俺も二番線についていた電車にギリギリに駆け込んだ。
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