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「それじゃあ俺そろそろ帰りますね。」
俺は奥の机に置いてあったコートをはおりマフラーを巻いた。
「まだ雪降ってるからな、気をつけて帰れよ。」
先生は一言そう返すとダンボールを奥の準備室に運んでいった。
鞄を肩にかけ、扉に向かう。
冷たいドアノブに手をかけて扉を開くと、少し冷たい空気が触れた。
「さようなら。」
聞こえるか聞こえないかくらいの声で挨拶し、俺は図書室を後にした。
窓の外の先生の言ったとおり雪がチラチラ降っていて、外の寒さを想像すると思わずため息が出る。
始業式の後、俺はジュンに宿題を貸してやった。
ジュンは飛び跳ねて喜んでいたが、ただ写して提出しようとしたのをアカリが許さなかった。
今頃二人で勉強中だろう。
教室の扉を開けると、疲れきった顔の二人がいた。
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