冷え込む朝

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バスが止まり慣れた手付きで定期を運転手に見せ、 ジュンを引きずってバスを降りる。 さっきよりも少し雪が強くなったようだった。 まだ立ち直れずにいるジュンが ショボショボ学校に歩き出したので俺は隣をゆっくり歩いた。 おいて行こうか迷ったが、 途中歩くのをやめて雪だるまになられては 俺があいつに怒られる。 5分も歩かないうちに玄関までたどり着き、 重い扉を開いて外よりは暖かい校舎に入る。 髪についた雪をはらいながらローファーを上履きに履き替えていると 出入り口の扉が開き冷たい風が吹いた。 「リョウちゃん!ジュン!おっはよー!」 元気にあいさつをしてきたのは 友達の三島明里(ミシマ アカリ)だった。 「おはよー、正月以来だな。」 「うん!冬休みはあんまり遊べなかったからからね。あっでもジュンには何回か部活に来ててあったよね!」 久しぶりの再開に嬉しい様子のアカリがジュンの顔を見たが 相変わらずの絶望に浸っているご様子。
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