冷え込む朝

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それからたわいもない話をした後、チャイムが鳴り担任が入ってきた。 「皆久しぶりだなー。宿題終わってなくてあせってるヤツは後でちゃーんと面倒見てやるからなー。」 ちょっとした冗談なんだろうけど目が笑っていない。 隣のジュンに目をやると頭を抱えてうなっている。 「ぶはっ…」 不覚にもちょっと笑ってしまった。 さすがにちょっと可哀想になってきたので後で助けてやることにしよう。 ふと前をみるとアカリが優しい顔でジュンを見つめていた。 アカリもなんだかんだ言って後で助けてやるんだろうな。 アカリは中3くらいからジュンのことが好きらしい、 まあ本人に言われたわけではないが一緒にいれば嫌でもわかる。 でもそれに気づかないのがジュンという人間だ。
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