高校デビューなう

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『――では、これにて入学式を終了します。新入生はA組から順番に退場してください』  やっと終わったか。終わった途端相沢が俺の方を見てドヤ顔をする。 「な。俺が新入生代表でどう思った?」 「う~ん、そうだな。とりあえずその五体がもげれば俺的には満足かな?」 「て、手厳しいな・・・」  くそ。勉強もできるってどんなイケメンだ。もはやコイツに勝てる要素がなくなってきた。  黙って退場をしてる途中に、ちゃんと見に来てくれた母さんが手を振ってくれた。やめて恥ずかしい。 「今のって、拓哉の母さん?」 「おう」 「へー。綺麗な母さんだな」 「そうか?」  まぁ、確かに若い部類ではあるだろう。だが、そんな二次元みたいに『か、完全に女子高生じゃないっすかぁ!』という訳ではない。それでも親世代からすれば相当若々しいが。その遺伝子がありながらなぜ俺はイケメンじゃない。 「――えー、という訳で。皆さんにはこれから高校生だという自覚を持ってこれからの生活を楽しみかつ励んでください。では、これにて今日のホームルームを終わります!」  担任の小柳のその言葉を最後にホームルームが終わった。つまり、今日の日程は完全に終え後は帰るのみということだ。 「ふぃー、これで帰れる」 「緊張したな」  それ挨拶したお前だけだろ。 「なぁ、拓哉! この後何か予定あるか?」 「ないけどあると言っておこう」 「よし、ないのか。これからどこかで遊ばないか? せっかく友達になったんだしさ!」  何言ってんだコイツ・・・。俺はもう家に帰ってネットする気満々だぞ。 「母さんが迎えにいるからパス。つーかお前チャリだし。今度でいいだろ」 「えー」  
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