高校デビューなう

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「とりあえず、ハーレム計画その一!」  俺はそう言いながら曲がり角を見据える。住宅街の一角で、T字路になっているところ。注意しないと危険な場所だ。 「ハハハ・・・。俺のシミュレーションはこうだ! 普通に登校途中の美少女とぶるかるアクシデント! パンチラあり!!」  完璧すぎる・・・! 一部の無駄もない。俺は思いに胸を馳せ、小走りで走る。まぁ、所詮は気分の問題であり現実でそんなことはありえない。そう思いつつも0じゃない。そう信じて走る。  もはや角は目の前だ。 「ま、そんなことあるわけ・・・――ぶるぁアアアアアア!!!?」 「ちょ、あぶなっ!!」  俺ともう一人、何者かの声が交差する。  ガシャア!! と俺と自転車が衝突する。俺は当然吹き飛ばされ体を強打する。向こう自転車から転落し、尻餅を着いたようだ。 「いてて・・・。お、おい。大丈夫ですか!?」 「死ぬ・・・」  恐らく向こうも減速してたからであろうが、俺は極めて軽傷で済んだ。顔を上げると手を差し伸べられていることに気がつく。  ま、まさか・・・。本当に美少女展開か!? 「怪我はないですか!?」 「え、えぇ。大丈夫ですよ、こちらこそ・・・」  相手の顔を見て、つい言葉が詰まってしまった。なぜか、って。そりゃ、とんでもない美形だからだ。  はいイケメーン! 天然ジャニーズ系のイケメーン! 「あー、はいはいすみませんでした。以後気をつけますそれではさようなら」 「ちょ、急にドライ!?」  うるさいな。チャリ位起こせってか。俺はイケメンの意図を汲み取ってやりチャリを起こす。 「お。ありがとう」 「へいへい」  お礼を言うあたりDQNではないな。相手は、本当に整った顔つきで、なんか適度に切りそろえた髪がサラサラしており・・・。  これ以上言うと凹むわ。やめよう。と、コイツの制服・・・。 「同じ学校、ですか?」  先輩かもしれないから敬語を使う。向こうも今気づいたかのような顔をする。 「あぁー、そうみたいですね。新入生です」 「なんだ、タメか」  一気にタメ口に戻る。
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