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その少女は、近くに人がいるとは思わなかったんだろう。
少女の身体は海へと投げ出された。
「…はっ…ふっ。」
「…おい!…ちっ。」
俺は思わず海へと走り出した。
いつもの自分ではあり得ない行動に心の中で苦笑した。
自分でもわからないが、「この子のことを助けたい。」と強く思った。
さっき声をかけた時の少女の目は、
この世の終わりのような絶望的な目をしていた。
助けたいと思ったのは、昔の俺と似ていたからだろうか…。
自分の服が濡れるのなんか気にしていなかった。
近くに人はいなかったのは幸運だな…
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