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(優月side)
はぁ…はぁっ
まだ夜は少し冷える初夏の夜、
少女は逃げていた。
「優月(ユヅキ)ーーーーーー!
許さんぞーー!!」
玄関からお父さんの怒声が聞こえる。
追いかけてくる父の足音も
聞こえてきた。
両親の暴力から
つらい思い出しかない家から
優月は
ひたすら逃げた。
無我夢中でただひたすら父から
逃げることだけを考えて
走った。
何も考えずにただひたすら走った。
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