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相手はただ、黙ってこちらを見つめてくるだけだった。
どうやら、口で言ってもわからないらしい。
一歩、踏み出す。
俺はこの目の前のストーカーを強制退場させようと、その手をつかもうとした。
ーーそう、つかもうとした。
「なっ……?」
そのまま俺はバランスを崩して勢いよく教壇の後ろ、教室と教室とを隔てる壁に顔面をぶつけた。
俺がつかんだのは虚空。
つかもうとしたはずのストーカーの手は、つかむことができなかった。
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