一章目

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「さっきまで何か騒いでいたようだが、何かあったのか?」 こちらをやや不審がるようにして先生は言った。 ……なるほど、やっぱりか。 「いや……実はちょっと大きなハチが教室の中に入ってきてまして。それでビビっちゃったんですよ」 さきほどからこちらのやり取りをぼけーとした様子で見ているストーカーを一瞥して、俺は開いている窓に目をやった。 勿論、嘘だ。 虫など目には入っていない。 俺が騒いでいたのは、この目の前のストーカーのせいだった。
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