一章目

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「あ、終わりましたか?」 今までに聞いたことのない声。 その声の主は、ストーカーだった。ストーカーは窓際で浮いていた。 「……幽霊?」 そんな風景と、先程のすり抜け。 俺の口をついて出てきたのは、そんな1つの単語だった。 「ちがいますよー!」 ややむっとしたように、ストーカーは否定する。 「私は死人じゃないです、幽霊でもありません!」 「いや、じゃあなんだっていうんだよ?」 首をかしげてそう聞いた。 「それはもちろん、決まってますよ」 えっへんと胸を張ってそいつはいった。 「私は天使です!」 ……予想を越えたわけのわからない発言が、俺の方へと帰ってきた。
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