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場違いなほど明るい鳥の声で目が覚めた。窓の外からは眩しい陽射しが差し込んでいる朝。
「あー、イライラする」
西澤が帰ったあとは特に何も怒らず、あいつは独り言も言わず静かにしていた。
イライラの収まらない俺だったがこれ以上どうする事もできないのでとりあえずベッドへ潜った。
そのままボーッとしているうちに眠ってしまったようだ。
ベッドから起き上がり軽く髪を整えていると
「あっさでっすよー」
扉の向こう側から声が聞こえた。
しゃべり方から文月かと思ったが声が違う。文月よりかは少し幼い印象だ。
「おきてるー?」
しゃべり方も少し幼いか?
とりあえず扉の向こうの相手をこれ以上待たせるわけにもいかないので急いで扉を開ける。
そこに立っていたのはニッコリと人に好かれそうな笑顔をみせる16歳ぐらいの少年だった。
「おはよう!!朝だよっ!!」
「……どちら様?」
俺が尋ねると少年はきょとんとして言った
「おれは松城周だよ?」
「いや、知らねぇし」
「そんなことどうでもいいからさー、とりあえず来てよ達野君」
「ちょっ、おい!?」
さも当たり前だというように自己紹介をした少年、松城はいきなり俺の手を引き部屋から連れ出した。
何故俺の名前知っているのだろうか。
「早くしないとご飯冷めちゃうよ!」
早く早くと俺をせかしながら俺を何処かへ引っ張っていく。
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