story.1

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始末院へ送られるトラックの荷台では俺以外 の奴も数人いた。特に何を話すでもなくただ 無表情でトラックに揺られていた。 しばらくボーッとしていると急にトラックが 止まる。もう少し丁寧な運転が出来ないもの か。何人か転んでるぞ。頭をぶつけたらしい 隣の奴がおもいっきり舌打ちをした。 荷台の扉が開き光が入ってくる。今まで暗 かったから目が痛い。再び隣から舌打ちが聞 こえた。 どうやらついたらしい。次々と名前を呼ばれ て人が出ていく。隣の舌打ち君も立ち上がり 出ていった。 「No.146、達野実」 係員らしき人物に呼ばれ無言でトラックを降 りる。すぐ真後ろが水面であることに驚い た。いつの間に海を渡ったのだろうか。外を 確認できない荷台にのせられて来たのだから 全く気づかなかった。
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