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私の背中、抱き寄せられて、どきっとしたときには体は里村さんに密着していた。
その顔を近くで見ると、優しく、でも本当に少し疲れたかのような顔で笑う。
それでもかっこいい。
見とれてしまう。
デザイナーやめてモデルまたやってもいいと思う。
「もっと。撫でて?」
なんだか色っぽい声で言われて、思わず赤くなってしまいながら、里村さんの頭を撫で撫で。
私の背中、包むように里村さんの手が滑って、私の胸に顔を埋めるように当てる。
思わず里村さんの髪を握って固まってしまった。
「……本当にないな、ここの膨らみ」
なんてぼそっと言われて、軽くその頭を叩く。
あるもんっ、あるもんっ。
陥没してなんかいないもんっ。
「……このニット、肌触りよすぎ。気持ちいい」
すりっと私の胸に擦りよられてまた硬直。
ドキドキしまくってる。
なんにも言えない。
里村さんの唇が私の胸にふれる。
そこ、だめ。
私は逃げようと後ろに身をひこうとして、里村さんの腕が引き寄せる。
唇から息をこぼすと、里村さんは顔をあげて私の顔を見る。
「……色仕掛けしてみれば?」
その顔でそんな言葉言わないでもらいたい。
私は里村さんから顔を逸らす。
里村さんは私の胸にまた顔を埋めて、私の胸に唇を当てる。
恥ずかしいのと、ドキドキと…、体が勝手にびくんって跳ねる。
足が震えて立てなくなってきた。
「……真っ赤になって涙目になってなに我慢してるの?いやならいやって言えば?」
「…ドキドキしすぎて…死んじゃいそうです」
なんとか言葉を返してみると里村さんは吹き出して笑って。
私の崩れ落ちそうな体をお姫様抱っこで軽々と抱きあげた。
「いやじゃないの?襲ってみたのに」
「……襲われていたんですか?」
「乳首噛んだよ。びくびく体跳ねさせていたくせに。小さいのに胸、敏感だね」
私は真っ赤になって里村さんの体に顔を埋める。
「戻ったら緒方をモデルにしよう。ピカルに男二人侍らせてみようか」
なんて里村さんは仕事の話。
さっき、えっちなことされていたと思うのに。
ぎゅうっと里村さんの服を掴むと里村さんの小さな笑い声が聞こえた。
やる気になってくれたのなら…いいんだけど。
まだドキドキしちゃってる。
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