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その男はそこに落ちている物をただただじっと見つめていた
ネットで出会い、リアルで幾戦もの戦いを抜けてきた戦友だった物をただただ見ていた
?「生きろよ……息子よ……」
彼にはその言葉がまだ理解出来ずにいた。ただただその言葉を反芻しながら物を見ていた
雨の中彼は一人、自分が殺してしまった物を、ただただ見ていた
どれだけの時間が過ぎていっただろう彼は何もせずずっとそこにただただいるだけだった
泣きもせず笑いもせず怒りもせず悲しみ喜び憤怒何も無い表情で何すればいいのかわからない彼は
ただただ”死体”をじっと見つめていた
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