プロローグ

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三国志と言えば、大概の人は、中国の歴史。と答えるでしょう。様々な本が出版されている現代では、詳しく知っている人もいるでしょう。大人から子供まで、幅広い年代に支持されている三国志。もしも、好きな武将だけで、部隊を構成出来たら…最強の部隊編成をしてみたい。などと思われる人も居るのでは?東京に住んでいる、藤堂孝彦(仮)もその一人である。現在、高校2年である彼は、よく友人の篠山祥太(仮)と、そんな話をしていた。 彼らは、三国志の武将達を使い、戦うトレーディングカードゲームでよく遊んでいた。三国志の事となると、一晩中語り合うほどの熱中ぶりであった。 そんなある晩、二人はいつものように孝彦の家で、カードゲームをしていた。 「今日の祥太さんは、誰を大将にされますかな?」 「今回は、曹操にしようかな」 「乱世の奸雄…曹操かぁ。なら、こっちは、小覇王孫策で勝負を挑かな」 このゲームについて簡単に説明すると、お互いに大将・軍師・配下武将を決める。その際には、各武将に軍資金コストが決められており、その範囲内なら、何人でも選べる。各武将にはそれぞれ、万能か武官か文官・兵力・兵種がきめられてある。勝敗は、先に相手大将を撃破した側が勝者となるのである。 孝彦と祥太は、互いに配下武将を決め、いざゲームをしようと、買い替えた専用シートにカードを配置した瞬間、目の前が歪んで見えた。祥太は、コンタクトがずれたかと思い手を動かそうとしたが、まったく動かなかった。その間にも、目の前は歪み続け、ついには何も見えなくなってしまった…
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