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ほのかな温みに似た彼女のオーラの気配が、かざした手のひらから伝わってくる。
”気配“ と称するのが感覚的には一番近いように思われるが、正確に表現するならば ”魂と魔力をつなぐもの“ といったところだろうか。
オーラが何であるか、その実態のすべてはまだ明らかにされていない。
実態がなんであれ、現にオーラというものが存在し、魂と魔力の両者と深い関わりがあることは確かだ。
それを持つ人間の状態が色濃く反映されるオーラは、通常では外から窺うことのできない部分をあらわにするため、主に医術などの分野で広く活用されている。
規則正しい息づかい。
呼吸のたび小さく上下する胸。
オーラの表面的な部分にも問題はない。
オーラから本人の状態を把握する方法はいくつかあるが、マルセイユは彼女の状態をより深く知るための方法を採った。
静かに、しずかに。
揺らめく蝋燭の炎、たゆたう水面(みなも)。
それらをイメージさせるオーラの気配を、自身のオーラで直接的に感触(さわ)って確かめる。
より、深く。
あの時彼女に起こったことを見極めるために。
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