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暗闇の中、湿った毛布にくるまって僕は想像する。
遠くで聞こえる貨物列車の走る高く滑らかな音のその先を。
四角いコンテナの中に積まれてあるだろう、何かの資材の振動を。
やがて辿り着く筈のどこかの終着点の事などお構いなしに、それらは揺られて摩擦する。
そこには暗闇は存在しない。
「在る」ことだけが存在しうるのだ。
何の感情も伴わない物体には「在ること」に附随する存在自体の光だけがあり、僕は想像の中でその光の色を様々な角度から子細に想像し、その熱や柔らかい振動の中に入り込み、赤ん坊のおしゃぶりの様にそれらを口に含んでやっと落ち着いて暗闇との折り合いをつける事に成功し、眠りに落ちた。
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