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夢の中で、僕はニシンの煮付けを食べていた。
死んだ筈のお袋と、何も言わずに出ていったきり2度と帰らなかったオヤジがちゃぶ台を挟んで座り、ひとことも話をしないままに黙々とニシンを口に運んでいる。
オヤジは、まだ一緒に暮らしていた頃毎日着ていた土木作業着を着て、あの独特な箸の持ち方で箸を進める。
僕はきちんと正座をして、オヤジの顔色を窺いながらニシンを箸でつまみ上げ、口に入れた。
その直後、口の中いっぱいにジャリジャリとした感触が広がり、驚いた僕は口元に手をあてがい開いたそこに口の中のものを吐き出した。
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