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薄暗い中でじっとりと重く汗ばんだ毛布を剥ぐと、上体を起こして額の汗を掌で拭い、それを毛布に擦り付けた。 それにしても嫌な夢を見たものだ。 僕は座った状態のまま、足元に転がるペットボトルのキャップを開けて中の水を飲み干し、また一つ溜め息を洩らした。 そして夢の中からの土産の様に体の表面に貼りつくドロドロとした皮膜状の不安を拭い去る為に、のそのそと這いつくばりながら段ボールハウスの外へ出た。
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