明白な記憶

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「あのー、もしかして坂川さん?だよね…」 後ろから私の名前を呼ぶ声が した。 慌ててさっきまで読んでいた本を閉じてとっさに鞄にしまう。 それまでにかかった時間約二秒。 「えっ。あれっ千葉木くん!」 「まさかこんな所で会うとはね。もしかして課題やってたの?」 「う、うん!それよりなんで千葉木くんはここに?」 「最近また面白い本入れたって聞いて本返すついでに色々見ようと思って」 そう言って千葉木くんは私の隣の席に着いた。 なぜか少し疲れているような千葉木くんの横顔を気にしつつ、私もさっきまで妄想に埋もれた頭の中を整理する。 なんせ今私が萌えに浸っている飛鳥くんと健司くんのカップリングに加わろうとする一人の人物なのだから。 ここで色々探りを入れておかなきゃならない。←
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