恋のはじまり

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入学式の日に、満開に咲いていた桜の木の下で私は桜を眺めていた。 こんな“おまじない”を思い出した。 『自然に舞い散った桜の花弁を落とさずに掌で掴めたら願いは叶う』 勿論、願いは『彼氏が欲しい』だった。 一見簡単そうに見えるけど、いざ実践してみると意外に難しかった。 花弁は軽いのでヒラヒラと落ちる速度が違えば急に落ちる角度も変わる。 私は夢中で花弁を追いかけていた。 誰もいないと思っていたのに…。 「何やってんの?」 それはあまりにも突然過ぎて一瞬でその場で固まってしまった。 見られているなんて思ってもいなかったから。
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