揺れる気持ち

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だって… 昔から知っているような言い方だったから。 「俺達さ、昔会ってんだよ」 えっ!?どこで!?私はできる限り頭をフル回転させて記憶を辿った。 「あの時はさ…マジで恥ずかしかったよ」 クククと含み笑いをしていた。 恥ずかしかった!? 未だに思い出せずにいる私は、半分頭の中がパニックに陥っていた。 そんな私を見た渡部君は、 「さては、忘れてるだろ。 お前がさ、俺に…『痛いの痛いの飛んでけ!!』ってしたんだぜ」 そのフレーズで私の散らばった線が一本に纏まった。 「あ、あ、あ…」 私はあまりの驚きで声を出せずに渡部君を指差していた。 そうだ…。 思い出した。 確か…あれは、私がまだ小学6年生の時だった。 賢ちゃんの空手の試合を美和と二人で応援に行った時、出会ったんだ。 話を聞くと、試合中に怪我をして次の試合は棄権する事になったのが凄く悔しくて… 一人体育館の裏側で泣いていたんだ。
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