第1章

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「やっぱり、寒いね」 秋が終わり、冬の寒さがやってくる今日この頃。 吐く息も白く、マフラーや手袋が欠かせない。 「寒い?」 「うん、ちょっとだけ」 繋がれた右手が少し寒い。 彼の体温を感じていたいから、手袋をしないで繋いでいるけど、冬の寒さには勝てないのかな。 彼の手をぎゅっと握ると、温もりが伝わってくる。 少し角張っていて、大きくて、温かい。 男の子だなって感じる。 もう一度、さっきよりも力を込めて握ると、それに応えるようにして、彼もまたぎゅっと握り返してくれた。 それがなんだか嬉しくて。 そして、ちょっぴり寂しい。
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