1 出会い

8/26
前へ
/851ページ
次へ
「先輩、すごいよね。 モデル活動もこなしながら、こうして学校にも通って…それなのに成績は上位って、一体、いつ勉強するのかな」 少し汗をかいた紙パックのレモンティーを、口に含みながら、私は何気なく思った事を声にする。 「…慣れじゃないのかな。 仕事と学校を、無理なく両立するコツをつかんで、忙しいからこそ 時間を上手に使うっていう」 「なるほど」 優の理解度と分かりやすい説明に思わず頷く。 …さすが、ファン。 先輩は、成績上位の限られた生徒だけで構成された、特進クラスに通う。 いわゆる『エリート大学への道を約束する』クラスの事だ。 「…そういえば。 ブログに、進路の事をアップしてあったよ」 「あ、そっか、3年生だから…」 「うん。 『進学はしない』って。 モデル業に専念するみたい」 「…そうなんだ」
/851ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6318人が本棚に入れています
本棚に追加