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優を通して耳にした進路は、少し意外だった。
先輩は御曹司としての顔も持っているから。
「実はテレビで見た事あるんだよね、先輩の実家」
「え、そうなの?」
と、私が返すと優はその時の映像を思い出した様に目をキラキラとさせながら、話し始めた。
「うん。
『有名人の豪邸訪問』って特番で
去年…かな、先輩の両親と実家を
見ちゃった」
「ファンにはたまらないね」
「んー……、嬉しいかっていうと
違うかな」
「そういうものなの?」
「…ファンだからって、なんでも嬉しい訳じゃないよ。
先輩自身の事に価値を感じるからね。
ちなみに先輩の実家、不動産業を軸に会社経営していて、一等地にいくつものビルと土地を所有しているみたい」
「す…、すごいね」
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