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「…はい」
消極的に返事をして声のした方向を見ると、出入口にはこの春異動してきたばかりでこの副担任でもある、永井先生の姿が。
野球部の顧問からか、体が大きくコワもてだけれど、授業は丁寧で熱意があり、生徒達からも人気の先生だ。
「今日、日直だったよな」
先生の前まで歩いて行くと、早速そう声をかけられる。
……しまった。
『すっかり忘れていました』とは言えず。
「実は、もう一人の日直の榊は、
他校との練習試合で午後から居ないんだ。
すまんが、プリント全員分、後で職員室に持ってきてもらえるか?
授業のはじめに、前の机に出して帰る様に言ってあるから。
じゃあ、頼んだぞ」
「…はい」
自分が悪いとはいえ、落ち込まずにはいられない。
……はあ。
榊くんが居ないって事は、日誌も一人で書かなくちゃ。
あー…、居残り決定。
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