1 出会い

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一部始終を見ていた優には、また行こうねと告げて。 クラス全員分のプリントを抱えた私は一人、職員室へと向かった。 「失礼します。 永井先生は、いますか?」 職員室の出入り口から声を掛けるも、永井先生の姿はなく。 代わりに美術の先生が答えてくれた。 「永井先生ならさっき出て行ったわよ。 特進クラスのテストを、回収しに行くって。 確か、2年A組よ」 …え。 教えておいてくれたら、最初からそっちに持って行ったのにな…。 その情報にがっくりしつつ、私は特進クラスのある校舎へと、足を進める。 職員室から渡り廊下へ、そこから2年生の教室までは、意外と距離がある。 ……はあ。 「いやあ、悪かったな。 職員室に居たんだが、急きょ代理を頼まれてな。 助かったよ。 気をつけて、帰りなさい」 情報通り、永井先生は2年A組に居て。 私がプリントを手渡すと、頭に手を当てながらバツが悪そうにそう言った。
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