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プルルルル…
10回目のコールを最後に、留守番電話に切り替わる。
……あきらめない。
ここまで来てすれ違ったまま離れるなんて、絶対に、嫌だ。
電話に出なかった理由は、分からない。
ただ、先輩は、間違いなく…この空港内にいる。
電話が繋がらない今、時間の許す限り探すしかない。
「わっ」
ヴー。
ヴー。
まるで合図の様に、私の手の中で震える携帯。
まだ電話に出ていないのに、画面に表示されるその名前を目にしただけで、もうこんなに、嬉しい。
そんな気持ちにさせてくれる人は先輩だけ。
今も、これからも。
『愛也ちゃん?』
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